2005年冬公演『La Traviata 〜椿姫〜』の上演の記録です。

作品解説

当時、先妻亡き後のヴェルディは、歌手ジュゼッピーナ・ストレッポーニと同棲していました。 ジュゼッピーナ自身は父親違いの3児の未婚の母で、敬虔なカトリック信者であったヴェルディとしては、支援者でもあった先妻の父への気遣いもあり、後ろめたさはあったと思われます。 そのため、原作がデュマ・フィスの実体験を元にしたように、ヴェルディ自身も自らの境遇との暗合を強く意識していたものと推察されます。

ヴェルディは原作の『椿の夫人』という名前を用いず、「道を踏み外した女、堕落した女」を意味する「トラヴィアータ」というタイトルをつけました。 社会的に日陰者のドゥミ・モンドの女性であるヒロインの立場の脆弱さと、それにも関わらず貫いた純愛の結果である悲劇の真実味を表現したのでありましょう。 また、ヒロインの名前は「スミレ」を意味するヴィオレッタに、恋人の名前はアルマン・デュヴァルからアルフレード・ジェルモンに変更されました。

そして迎えた1853年3月6日、フェニーチェ歌劇場で初演された当作品は、カルメン・蝶々婦人とともに有名のオペラ3大失敗と呼ばれることとなる大失敗に終わってしまうのです。 原作デュマ・フィスの『椿姫』の舞台に感動して作曲を思い立ったヴェルディとしてはショックを隠せなかったようですが、『この歌劇の価値は、いずれ時が解決してくれるだろう』とも語っています。 その翌年、同劇場で行われた再演では歌手などにも十分に注意が払われ、ついに成功をみました。

そしてそれから150年、椿姫は世界で最も上演されるオペラの一つとなっているのです。

上演に関するデータ


- キャスト -

ヴィオレッタ・ヴァレリー 太田みのり(1幕)
山本摂子(2幕)
宗和彩乃(3幕)
アルフレード・ジェルモン 長谷川隼也
ジョルジュ・ジェルモン 近藤健一
フローラ 池山由香
アンニーナ 神谷夏子
ガストン子爵 雑古岳展
ジュゼッペ 宮原潤也
グランヴィル 菅野晋
ドゥフォール男爵 伊藤良昭
ドビニー 海津俊介



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