2012年夏の公演『ナブッコ』の記録です。

作品に関するデータ


作曲: ジュゼッペ・ヴェルディ
原作: オギュスト・アニセ=ブルジョワ およびフランシス・コルヌ 戯曲『ナブコドノゾル』
台本: テミストークレ・ソレーラ
初演: 1842年3月9日、ミラノ・スカラ座

東大歌劇団の上演に関するデータ


2012年7月 8日 八王子市芸術文化会館 いちょうホール 大ホール
イタリア語上演 日本語字幕付き

- 演奏 -

総監督・指揮: 樫野 平
演出: 開出 雄介
合唱指揮: 中野 雄介

- キャスト -

ナブッコ (Br:バビロニアの王) 酒井 雄一
アビガイッレ (S:ナブッコの長女) 鈴木 香央莉
ザッカリーア (Bs:ヘブライ人の指導者) 田中 拓風
イズマエーレ (T:エルサレム王の甥) 井藤 航太
フェネーナ (S:ナブッコの次女) 笠原 真理子
アンナ (S:ザッカリーアの姉) 佐々木 優
アブダッロ (T:ナブッコの老臣) 杉戸 亮介
ベルの大司教 (Bs:バビロニアの神官) 赤木 恭平

東京大学歌劇合唱団

東京大学歌劇管弦楽団

ものがたり

第一部

猛々しいバビロニアの王、ナブッコの来襲を恐れるエルサレムの民の合唱から物語が始まる。

エルサレムの神官ザッカリーアは、動揺している民たちを力強く励ます。
緊迫した状況の中、エルサレム王の甥のイズマエーレと、人質として連れてこられている敵王ナブッコの娘フェネーナは愛を語るが、実はナブッコの他の娘アビガイッレも、イズマエーレを深く愛していたのだった。



そんな中とうとう、敵王ナブッコが侵攻して来て、エルサレムは占領されてしまう。
神官ザッカリーアはとっさにフェネーナにナイフを突きつけ、大切な娘を殺すぞとナブッコを脅す。
しかし、なんとイズマエーレがそれに耐え切れず、国を裏切ってフェネーナを救ってしまう。

そしてナブッコは、もはや容赦せずにエルサレムを破壊してやると高らかに宣言し、エルサレムの民を全員バビロニアに連行することを決める。

第二部

アビガイッレは自分がナブッコの真の娘ではないことを知らなかったが、ナブッコの部屋から自分が奴隷の娘である証拠を発見してしまい、大きなショックを受ける。

アビガイッレはかつては他人の苦しみをわかってあげられるとても優しい娘だったのだが、周りの人があまりにも冷たく、だんだん心が冷たく固まってしまったのである。
そこに、ナブッコを快く思っていない卑しいバビロニアの神官がアビガイッレに、「王ナブッコは死んだ、王位を奪ってしまえ」と唆しにやってくる。

その気になったアビガイッレはフェネーナから王冠を奪おうとするが、そのとき死んだはずのナブッコが戦場から戻ってくる。
状況を見て激昂したナブッコは、神こそ私であると不遜にも宣言するが、その言葉が神の怒りを買ってしまい、すっかり錯乱してしまう。
混乱に乗じてアビガイッレは王冠を奪い、バビロニアの王となる。

第三部

バビロニアの王として民衆に慕われるアビガイッレ。
王宮に錯乱したナブッコが迷い込んでくる。

アビガイッレはナブッコの錯乱を利用してエルサレムの民を全員殺す判決文に署名させるが、実はそれによってナブッコの愛する娘フェネーナも殺されてしまうことになるのであった。




ナブッコはアビガイッレに泣きつくが、もはやアビガイッレは聞く耳を持たない。
一方でユダヤ人たちは、故郷から遠く離れていることを嘆いて、ザッカリーアと共に、このままおめおめと死ぬわけには行かない、勇気を出して再びバビロニアに立ち向かおうと気勢をあげる。




第四部

正気を取り戻したナブッコ。
窓の外からフェネーナが処刑のために連行されている声を聞く。
常に忠実な臣下アブダッロが剣を差し出すと、王位を取り戻し、フェネーナの処刑を阻止するために出陣する。

フェネーナが処刑される寸前にナブッコは間に合い、フェネーナを救うと同時にエルサレムの民が故郷に帰ることを許すのだった。
一同でエルサレムの神を讃え、そんな中全てを失った哀れなアビガイッレは神に救いを求めながら毒を飲み息絶えてしまう。



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