2014年夏の公演『ドン・カルロ』のページです。

東大歌劇団の上演に関するデータ

第41回公演 G.ヴェルディ作曲 歌劇『ドン・カルロ』
2014年7月20日(日) 14:30開場 15:00開演 サンパール荒川にて
入場無料(カンパ制)・全席自由
全幕イタリア語上演 日本語字幕付き

時はスペイン王国最盛期の16世紀、国王フィリポ2世は神の次に強大な権力を持って君臨していた。王子ドン・カルロはフランスの王女エリザベッタと婚約中、互いに恋に落ちて喜びに震えた。ところが政略により、彼女はなんと、父の妃となってしまう…。
様々な陰謀の交錯する宮廷の中で、権力、愛、宗教、友情が複雑に絡み合う壮大な歴史物語を、絶頂期のヴェルディによる音楽と共にお楽しみください。

- 演奏 -

総監督・指揮:伊藤 佑
演出:山内 亮輔
合唱指揮:小松 伶奈

- キャスト -

Don Carlo(T) 杉戸 亮介
Elisabetta(S) 緒方 美穂子
Rodrigo(Br)        菅野 普
Filippo(B) 松沢 康司
Principessa d'Eboli(Ms) 大島 麗子
il Grande Inquisitore(B) 岡本 航
Conte di Lerma/Araldo reale(T) 大野 純
il frate(B) 田中 拓風
Tebaldo(S)          三浦 香奈子
una Voce dal cielo(S)       藤 雅枝


東京大学歌劇団合唱団

東京大学歌劇団管弦楽団

作品に関するデータ

作曲: ジュゼッペ・ヴェルディ
原作: フリードリヒ・シラー「スペイン王子ドン・カルロス」
台本: フランソワ・ジョセフ・メリ、カミーユ・デュ・ロクル
初演: 1867年3月11日、オペラ座

あらすじ

16世紀のハプスブルクスペイン。先帝カルロ5世(カール5世)の下で、国はいわゆる陽の沈まない国となっていた。豪傑のカルロ5世に対して、現皇帝のフィリッポ(フェリペ2世)も偉大な王ながら、父の残した巨大な帝国を前に、日々プレッシャーを感じていた。
そんなフィリッポはヴァロワ朝のフランスから妃としてエリザベッタ(エリザベート)を迎えた。ハプスブルクとヴァロワは常に緊張関係にあり、この結婚も、当時常識的な政略結婚にすぎないはずだった。しかしこのエリザベッタは、フィリッポの息子のドン・カルロと、一度は両想いになった仲だった。

第1幕
第1場
教会。修道士たちはハプスブルクの宮廷に対抗心を燃やしていた。一方、両想いだったエリザベッタを父に奪われた迷えるドン・カルロは、教会に来ていたが、修道士の説教の声に恐れをなす。
そこにやって来たのはカルロの友、ロドリーゴ。彼は、カルロがこの地で辛い思いのまま生きるくらいなら、抑圧された新教徒たちを救うために彼のいたフランドルに行くことを勧める。気持ちに整理をつけなければと思いながらもフィリッポ夫妻を見て発狂寸前のカルロに、ロドリーゴは「共に行き、共に死のう」と声をかけるのであった。

第2場
宮廷の女性たちは広場でエリザベッタを待っていた。やっと出てきた新婚の彼女は、しかし、浮かない顔をしている。そこへロドリーゴがやってきて、フランスのお母様からの手紙、そしてそれ以上に大事なドン・カルロから預かった手紙を手渡す。
エリザベッタがカルロと二人で会えるよう、ロドリーゴが他の人々を連れて外へ出て行くと、入れ替わりでカルロがやってくる。彼はフランドル行きを王にお願いするように言うが、幼い彼は、すぐに彼女を想う気持ちを表に出してしまうのだった。
その日の夕方。フィリッポと二人きりになったロドリーゴは、王の圧政を諌めるが、エリザベッタとカルロの関係が気になる彼は、両者から信頼を得ている彼に監視役を命ずるとともに、宗教裁判長にだけは気をつけるよう警告するのだった。


第2幕
第1場
真夜中。エリザベッタの部屋の下に来るようにという手紙を受け取り、期待してやってきたドン・カルロであったが、手紙の主はエボリ。人違いにすっかりヤル気をなくしたカルロをみるにつけて、エボリはエリザベッタに幼い嫉妬をする。そこへロドリーゴが現れるので、エボリの行き場のない気持ちは、彼へのイライラとなる。
エボリが、カルロとエリザベッタの関係をロドリーゴから聞いたと仄めかしたので、カルロは疑心暗鬼になる。

第2場
ある日の午後、町の広場。異教徒(新教徒)の処刑の日、人々は町に集められている。為政者たちのためのイベントであるため、歌詞とは裏腹に、下々の人々は参加させられているだけで基本的には覇気がない。
そんな1年に1, 2回あるどうでもよいイベントのはずであったが、ドン・カルロがフランドルの使節団を連れて割り込んでくるので、式典の進行は止まってしまう。使節団は死刑囚たちの助命を嘆願するが、もちろんフィリッポは聞き入れない。フィリッポとドン・カルロは一触即発となるが、ロドリーゴが王の側に立ってこれを止める。王は、自身に忠実なこの男に公爵の位を与える。
陽が落ちるとともに、哀れな死刑囚たちに鉄槌が下される。


第3幕
第1場
明け方、フィリッポの執務室。書類王と呼ばれた彼は、史実でも部屋に篭りがちであったというが、書類の山に囲まれて思い悩んでいた。慕ってくれない人民、新教に気のふれた息子、そして何より愛してくれないエリザベッタ。彼は「眠れるのは、王家のマントに包まれて私の人生が終わる時だけだろう」と嘆く。
そこへ会談を予定していた宗教裁判長が到着する。彼は自分の息子を処刑して良いものかと悩むが、逆に宗教裁判長は新教に寛容なロドリーゴの身柄を要求する。王はこれを拒絶し、話合いは物別れとなる。
エリザベッタが入ってきて、化粧箱を盗まれたの、と訴えるが、エボリの仕業でその化粧箱は既に王の手元にあった。しかも箱にはカルロの肖像が入っている。エリザベッタの態度に、フィリッポは思わず手を上げてしまう。
慌てるフィリッポが声をかけると、ロドリーゴとエボリが入ってくる。ロドリーゴはフィリッポ親子を救うために自身が犠牲になることを決意し、エボリは罪悪感からエリザベッタに秘密を打ち明けてしまう。宮廷を去るよう告げられ、世を捨てる決意をかためるエボリだったが、カルロが翌日処刑されることを知り、愛していたカルロを救うことを現世最後の望みとするのだった。

第2場
何もないカルロの牢獄の中。
見舞いが来てくれただけでも嬉しいのに、ロドリーゴはカルロの罪をかぶって身代わりに死ぬという。カルロは、ロドリーゴを裏切り者と思ってしまったことを後悔する。
そこへ、宗教裁判長が差し向けた刺客がやってきて、ロドリーゴを撃つ。彼は息絶えそうになりながら、エリザベッタからの伝言を伝えるのであった。
ロドリーゴが罪をかぶったため、フィリッポは一応カルロを釈放しにくるが、カルロの首を求める人民たちがやってくるので、王は牢獄の中にこの血気盛んな人々を入れることにする。 宗教裁判長が場を収拾して、幕が降りる。


第4幕
第1幕と同じ教会。世捨て人となる決意をしたエリザベッタ、しかし、フランドル行きを決心したドン・カルロと最後の別れを告げあっていた。そこへフィリッポが現れ、復讐心から二人を引き剥がす。衛兵たちはドン・カルロを取り押さえる。
そのとき、先帝カルロ5世の亡霊が現れる。彼はこの国の未来のため、ドン・カルロに、父と和解するよう諭すのであった。


サンパール荒川へのアクセス



[都バス]
・JR日暮里駅東口より里22亀戸行き → 荒川区役所前下車 徒歩2分
・JR西日暮里駅より草63浅草雷門行き → 荒川区役所前下車 徒歩2分
[都電荒川線]
・東京メトロ千代田線町屋駅より都電荒川線乗換 三ノ輪橋方面 → 荒川区役所前下車 徒歩2分
[東京メトロ]
・日比谷線三ノ輪駅下車 南千住方面改札を出て明治通りを王子方面へ徒歩12分(荒川警察署向い)



inserted by FC2 system